台風の被害で多く見られるものは、屋根瓦が飛んで家中雨漏りがしたり、飛んだ屋根瓦が自分の車に直撃したり、ご近所の家屋や車を傷つけるといったものです。
また水害では排水溝や側溝の詰まりで水があふれ、床下、床上まで浸水してしまうといったことがあります。
これらもきちんと対策をしておくことで、台風や水害の被害をある程度抑えることができます。
もちろん、強大な自然の猛威の前では無力な場合もありますが、出来ることはきっちりやっておきましょう。
屋根の点検と補強
台風の被害で最も数が多いものは強風で屋根瓦が飛んでしまうことだと思います。
私が被災した熊本地震での話になります。
私の家の正面の家は2件とも純和風の屋根瓦が載っています。
不思議なことにほぼ同じ位置にあるお宅なのに1軒は屋根瓦が落ち、もう1軒は全く被害がなかったのです。
被害のなかったお宅は数年前に屋根の葺き替えをされており、その時に耐震補強をされたのか地震に強い防災瓦を使われたのだと思います。
阪神・淡路大震災が起きた1995年以降に建てられた家は屋根における被害をおさえるために工法が変わり、強風にも強い造りになっています。
逆にそれ以前に建てられた家ですと、木造の家の屋根は外しやすい(飛びやすい)工法になっていて瓦が飛びやすく、落ちやすい構造のようです。
自宅の屋根瓦がどのようなものなのか気になるところですが、屋根瓦は高い位置にあり、素人ではとても判断が付きません。
日本屋根診断士協会の「屋根診断士」という資格があり、その方に診断を頼むのも一つの方法ですし、屋根についてはその家を施工した業者に相談する方法がいいかと思います。
特に古い家屋は屋根瓦が重ねてあるだけというのも少なくありません。
一度、専門業者による屋根瓦の診断をお勧めします。
仮に補強や補修が必要になった場合、すぐに対応できればいいのですが、屋根の改修は安いものではありません。
最も簡単でコストの少ない補強は瓦止め工事です。
瓦止め工事は「ボンド止め」や「金具止め」などの施工法があります。
「ボンド止め」や「金具止め」を単体で行う方法と、両者を併用する方法があります。
瓦止め工事は既存の瓦をそのまま活かすので、コスト的には安く済みます。
また、経年による瓦の改修や葺き替えを検討している方でしたら、そのタイミングで耐震補強を併せて検討されるといいと思います。
排水溝や側溝の掃除
自宅が市街との住宅街であっても、内水(ないすい)による水害を被る可能性があります。
内水(内水はん濫)とは市街地内を流れる側溝や排水路、下水道などから水が溢れる水害で、一般的に都市の排水能力(時間あたり約50mm相当)を超えたときに発生します。
近年、局地的・短時間で雨が降る集中豪雨、いわゆる「ゲリラ豪雨」が増えたことで、近年50mmを超える降雨が多発しているため、内水も頻発しています。
もちろん、排水の行き先である排水路、下水道の許容量を超えてしまった場合はどうしようもありませんが、その入り口である自宅横の排水溝や側溝が詰まっていたのでは話になりません。
自宅横の排水溝や側溝は定期的に掃除をし、水はけをよくしておくことが大切です。