前のページ「ハザードマップを確認する」で説明したように、台風や水害で自宅が被る危険度を確認したら、次に備蓄する非常用品を決め、事前に準備しておきます。
被害のの度合いによっては、電気、ガス、水道といったライフラインが寸断します。
このことを想定して準備するといいでしょう。
備蓄したい非常用品
懐中電灯、電池
台風や水害において、最も寸断しやすいのが電気です。
避難所などへの移動は、昼間の明るいうちにしておくことをお勧めしますが、自宅であろうが避難所であろうが、停電すれば夜は真っ暗です。
そんな時、身の安全を確保するためにも必要となるものが、懐中電灯です。
電池式の懐中電灯でしたら、予備の電池も備蓄しておいてください。
また、手回し充電式LED懐中電灯というものもありますし、単1形~単4形のすべての電池に対応する懐中電灯といったものもあります。
ロウソク、ライター、マッチ
夜に停電した場合、それこそ真っ暗闇になります。
災害時の暗闇は恐怖以外の何物でもありません。
そんな時、少しでも灯りがあればその不安は多少和らぎます。
しかし、懐中電灯だけでは、電池に不安がありますし、そんな時はロウソクの灯りが役に立ちます。
懐中電灯はトイレなどの移動時に使い、それ以外の灯りについてはロウソクを使うというのも一つの方法です。
ただし、火災には充分注意して下さい。
携帯ラジオ
停電の中、情報がないことはとても不安です。
スマートフォンでも情報は取れますが、こちらもいざという時のためにバッテリーが不安になります。
やはり情報源として最も有効なものは携帯ラジオになります。
こちらは電池で長時間使うことができますし、何と言ってもリアルタイムの情報が入手できます。
スマートフォン用のバッテリー(充電器)
今やスマートフォンは無くてはならないアイテムの1つになりました。
しかし、スマホの弱点はバッテリーの消耗が早いことです。
そんな時、スマートフォン用のバッテリー(充電器)があれば、とても便利です。
USBケーブルで接続するタイプで、パソコンのUSB端子につないで充電するタイプや家庭用コンセントから充電するタイプなどがあります。
地震と違い、台風や水害は事前に分かる災害ですから、災害が発生する前に充電することができますので、こちらがあれば大変重宝します。
シガーソケット充電器
もし自家用車をお持ちであれば、シガーソケット充電器があるととても便利です。
上で説明したスマートフォン用のバッテリー(充電器)は、災害が発生する前にパソコンのUSB端子や家庭用コンセントから充電するもので、停電してしまえば再充電はできません。
このシガーソケット充電器は車のシガーソケットから、スマートフォンに充電することができ、停電時でもスマホの充電ができる優れものです。
自家用車があって、このシガーソケット充電器があれば何かと心強いと思います。
非常用食料、飲料水
避難所に避難した場合は、避難所である程度の食料や飲料が支給されますが、自宅で避難していた場合はある程度の非常用食料、飲料水が必要になってきます。
災害発生後しばらくは、スーパーやコンビニが開いていなかったり、開いていても物がない場合が多いと思います。
台風や水害では地震に比べライフラインの復旧やスーパーやコンビニの再開も早いので、家族全員が3日食べられる量があればいいと思います。
非常用食料は日持ちするものでなくてはなりません。
パウチの物などもありますが、手っ取り早いのはカップ麺や缶詰になります。
カップ麺などの消費期限のあるものは、消費期限が近付いたら家庭で消費し、新しいものと入れ替えていく必要があります。
また飲料水については飲用だけでなく、カップ麺のお湯にも使いますので、台風や災害が近付いたら、水道が出るうちにヤカンや鍋、ペットボトルなどに水を確保しておくとともに、ペットボトルのミネラルウォーターをある程度備蓄しておくと安心です。
飲料水用タンク
飲料水を溜めておくタンクです。
ホームセンターに行けば、飲料水用のポリタンクやコンパクトなウォーターバッグが売られています。
上で説明したように、ヤカンや鍋に水を溜めておくのも一つの方法ですが、専用の水タンクがあれば、大量に飲料水を確保することができ、安心感があります。
もちろん、灯油用のポリタンクでも構いません。(もちろん新品ですよ)
普段は押し入れや物置に入れておいて、いざという時に使います。
場所を取って嫌だなという方は、折り畳み式のコンパクトなものもありますので、検討されてはいかがでしょうか。
カセットコンロ
熊本地震に被災して何が一番役に立ったかと言えば、間違いなくカセットコンロでしょう。
これは私だけでなく多くの人がそのように話しています。
カセットコンロは卓上で鍋や焼き肉なんかをするガスコンロです。
カップ麺のように、お湯さえあれば食べられる食品はたくさんあります。
プロパンガスのお宅ではあまり関係ないかもしれませんが、オール電化や都市ガスのお宅は停電後、調理に火が使えなくなってしまいます。
カセットコンロがあれば、ヤカンや鍋さえあればお湯が沸かせます。
カップ麺や袋麺、インスタントの味噌汁、スープが飲めます。
お茶やコーヒーだって飲めるんです。
ライフラインが復旧するまでの間、このカセットコンロは大活躍でした。
プロパンガスを使用しているお宅でも、ガスボンベが倒れたり配管が壊れてしまうケースも想定されますので、非常用にカセットコンロを常備されておくことをお勧めします。
カセットコンロは非常時のマストアイテムと言っても過言ではありません。
ブルーシート
台風では屋根瓦が飛んで雨漏りしたり、窓ガラスが割れたり、水害では床上まで浸水したりと様々な被害が想定されます。
そのような時は一時しのぎではありますが、ブルーシートがあるだけで随分違います。
雨漏りがひどい場合は家財にブルーシートをかけるだけで、ある程度の被害を抑えられますし、窓ガラスが割れた場合にも窓を塞ぐことができます。
浸水の場合も家財を守るために役立ちます。
普段はアウトドアでの敷物にしか使わないブルーシートですが、台風や水害の被害が出た場合にはその威力を発揮します。
ブルーシートは台風や大雨が近付いた場合、ホームセンターなどで品薄になり入手しにくくなるアイテムです。
ガムテープ、養生テープ
こちらもブルーシート同様、いざという時に役立つアイテムです。
ブルーシートを固定したりする際に、どうしてもテープで留めなければなりません。
そのような時にガムテープや養生テープが必要になってきます。
また台風などで窓ガラスが割れて室内に飛散することを防ぐために、窓ガラスにガムテープや養生テープを貼っておくことも有効な手段になります。
注意することは、ガムテーの場合貼った後、どうしてもテープの跡が残ってしまいます。
ガムテープより割高になりますが、テープの跡が残らない養生テープの方が個人的にはお勧めです。
まとめ
台風や水害は基本的に寒い冬の時期ではなく、梅雨から夏、秋にかけて多く発生します。
ですからいつ発生するかわからない地震とは違い、カイロなどの暖を取るアイテムは不要になります。
ここでは、代表的な非常用品をご紹介しましたが、ご家族の構成や地域によってはこのほかにも備蓄しておいた方がいいものがあると思います。
何もない時にこそ、ご家族で話し合いをし、必要な非常用品を考えてみたらいかがでしょう。
防災意識も高まりますし、台風・水害への備えと対策としてとても有効だと思います。